易のきほん

「易」の魅力は原文です。どんな解説書よりも、原文を読むことで「易」の面白さやすごさを味わえます。
とはいえ、ある程度の前知識がないと読めない書でもあります。
このページでは読む前に最低限知っておいた方が良いことをまとめました。

易ってナニ?

「易」は、私たちの中にある性質を2つに分けます。

剛柔

2つの違いは次のようなものです。

剛・陽・強い・動・大・能動・男性性
柔・陰・弱い・静・小・受動・女性性

この二つの要素はすべての人にあって、生きる中で が強くなったりが強くなったりします。

陰になったり陽になったり

いつも元気な人でも落ち込んだり、物静かな人が声を荒げることもある。
くらいのイメージで捉えていただければ良いのではないでしょうか。

そうした変化がひとりひとりに起こり、重なり合って、私たちが生きる中で出くわす状況をつくるとしました。

場面

つらかったり、楽しかったり、迷ったり……。
ありとあらゆる状況を64個の記号と言葉で表したのが「易」という『占いの書』です。

『占いの書』でありながら、陰陽思想や道教とも結びつき、儒教では『論語』以上に重視される経書となりました。

そして今では思想や国を越えて読まれています。

読む上で、知っておくと良い「易」の前提です。

自然が見本

易が見本とするのは自然です。人の行いも、自然の流れにかなっていれば良く、不自然であればうまくいかないとします。
ぼうという自然な態度をテーマとした卦もあります。

変化には型がある

易は世の変化を扱います。ただし、変化はランダムなものとはしません。四季のめぐりや生き死にのように、変化には一定の型(リズム)があると見ます。こうした易の考えをまとめたものが「易の三義」です。

へん
世は常に変化する
えき
変化には一定の型(リズム)がある。
かん
その型はシンプルでわかりやすい。

一定の型(リズム)を表したものが、六十四卦と見て良いでしょう。

人より環境

「どうしようもない中、酒と食事でやり過ごす」(需・九五困・九二など)
「恵まれた状況で祭をして神に感謝する」(升・六四既済・九五など)
こうした場面がいくつも描かれています。うまくいく・いかないは、人の力よりも状況が多くを決めるとします。

兆し(幾)

易は『世は常に変化する』としますが、突然に起こるとはしません。
変化の前に小さな兆し(幾)があるとします。
易を学ぶことは、型(六十四卦)を知って、兆し(幾)を見る力をつけることでもあります。

きほんの言葉

易を読むのに知っておいた方が良い言葉です。読むうちに慣れてはきますので「こういうのがあるのね」程度に知っておくと、原文を読む助けになります。

こう
のことです。を陽爻、を陰爻とも呼びます。
爻を積み重ねてできた記号(八卦や六十四卦)のことです。
八卦はっか
爻を3つ重ねたものです。8個あり、それぞれに名前があります。

(けん) () () (しん)
(そん) (かん) (ごん) (こん)

「先人の読み方」のページでそれぞれから連想されたイメージを取り上げています。

六十ろくじゅう
八卦を2つ重ねた64個の記号です。それぞれに名前と解説がついています。
詳しくは六十四卦の一覧をご参照ください。
卦名かめい
卦の名前。その卦のテーマを1・2文字で表します。
卦辞かじ
六十四卦の一つずつについていて、その卦を総括する言葉です。彖辞たんじとも言います。
爻辞こうじ
六十四卦を構成する六つの爻についた言葉です。卦の細部を表します。
内卦ないか外卦がいか
卦の下が内卦(下卦)、上が外卦(上卦)と呼ばれます。
内卦外卦
こうの呼び名
六つの爻には位置によって呼び名があります。
下から初爻しょこう二爻にこう三爻さんこう四爻しこう五爻ごこう上爻じょうこう
爻辞を読むのも下からです。
爻の呼び名
九と六
原文ではは九、は六で表されます。

「乾」だと
陽爻
「坤」だと
陰爻