ぼう

无妄は妄想せず、望まず、自然に従うこと。そうした態度を扱った卦です。

卦辞

无妄元亨。利貞。其匪正有眚。不利有攸往。
ぼうおおいにとおる。ていにしてあり。それせいあらざればわざわいあり。くところあるにあらず。
无妄は大いに進んでいく。正しくあれば良い。无妄の正しさがなければ災いがある。行きたいところがあるのは良くない。

爻辞

初九初爻
无妄。往吉。
ぼうけばきち
无妄で行けば吉。
いきなり「行けば吉」です。卦辞と矛盾します。初爻は力も実績もない位置とされますので、行動が无妄から外れないのかもしれません。
六二二爻
不耕獲、不菑畬、則利有攸往。
耕獲こうかくせず。せざれば、くところあるにあり。
耕しても収穫はしない。新田をつくらず、熟田を求めない。そんな態度であれば、行くところがあっても良い。
「耕獲せず…」は无妄の態度と見て良いでしょう。
耕獲:
耕して収穫すること
菑:
新田
畬:
肥えた熟田
六三三爻
无妄之災。或繫之牛、行人之得、邑人之災。
ぼうわざわいあり。あるいはうしつなぎ、行人こうじんるは、邑人ゆうじんわざわいなり。
无妄でも災いがある。牛を繫いでいたら、旅人が持ち去ってしまう。村人にとっては災いである。
行人:
旅人
九四四爻
可貞。无咎。
ていにしてなり。とがなし。
正しくできる。咎はない。
九五五爻
无妄之疾。勿藥有喜。
ぼうやまいあり。くすりくしてよろこびあり。
无妄でも病はある。ただ薬がなくても治まる。
上九上爻
无妄。行有眚。无攸利。
ぼうけばわざわいあり。あるところなし。
无妄。行けば災いがある。良いことはない。
卦辞と合わせて読むことができます。 行けば无妄を失うといったところでしょうか。

まとめ

大いに進んでいく无妄であっても、災いや病はある。また、大いに進んでいくことが上九の「行」に「眚」につながっていく、とも読めます。

卦の全体像

上九、无妄。行けば災いがある。

九五、无妄でも病はある。

九四、正しくあれる。

六三、无妄でも災いはある。

六二、求めずに進む。

初九、无妄のまま進む。

互卦:  綜卦:大畜  錯卦: