占いとしての易

易の占う姿で一番有名なのが、筮竹という細い竹を使ったものかもしれません。
ただサイコロやカードなど、占う道具に大きな決まりは無いようです。ご紹介する占い方は、コインが3枚あればできます。

問い(占うこと)を持って原文を読めますし、体も動かしますので、お勉強として使うのも良いのではないでしょうか。

もともと易は、亀の甲羅を使っていたとされます。焼いてできたヒビで卦を作っていたようです。有名な筮竹もまた、本来の道具ではありません。

擲銭法てきせんほう

準備

擲銭道具

やり方

○のついた爻は「占ったこと」の在る位置を表すとされますので、特に注目して読みます。
この方法よりもさらに手軽なのが簡便法です。

簡便法かんべんほう擲銭法よりカンタン

準備

簡便道具

やり方

○のついた爻は「占ったこと」の在る位置を表すとされますので、特に注目して読みます。

変卦へんか読み解く助け

原文を読んでみてもよくわからない時や、多角的に結果を捉えたい時には変卦を見ます。
変卦は、出た卦に手を加えて別の卦を作り、解釈の助けにする方法です。

之卦しか

◯がついた爻はが反転する可能性を持った爻とされます。そこで◯のついた爻のを反転させます。
こうしてできた卦を「之卦」と言います。今の状況の裏にあるテーマ、近い未来に対峙するテーマを表すとされます。(之卦に変わる前の卦を本卦とも言います。)

之卦1
之卦2
之卦の作り方や解釈は、ここで紹介しているもの以外にもあります。ただ、補助的な役割であることでは共通しています。

互卦ごか

出た卦の二・三・四爻を内卦、三・四・五爻を外卦にした卦を作ります。
互卦の解釈も様々ですが、現状を解決する手がかりとしたり、隠れた事情と見たりします。

互卦1
互卦2

綜卦そうか賓卦ひんか

出た卦をひっくり返した卦です。他者からどう見えているかを表すとされます。

綜卦1
綜卦2

錯卦さっか裏卦りか

出た卦のをすべて反転させた卦です。占ったことの逆をすればどうなるか、また隠れた本心と解釈します。

変卦は占った場面に限らず、原文を解釈する参考にもしたりもします。

錯卦1
錯卦2

正しく占う占う前のお約束

道具には大きな決まりはありませんが、占う際にいくつか「お約束」があります。原文や先人の言葉を見ながら、どのように占えば良いかを見てみましょう。

初筮しょぜいぐ。再三さいさんすればけがる。けがればげず。
初めの占いは真実を告げる。しかし再三すればけがれる。けがれれば告げない。

蒙・卦辞より

次に朱熹が「どんなことを占えば良いか?」についての言葉を見てみましょう。

もし道理どうりとしてすべきなれば、もとよりこれをすに便よろし。もし道理どうりとしてすべからざれば、おのずからこれをすべからず。なんぞさらにせんもちいんや。かえって一様いちようことに、あるいはきちあるいはきょうり。両岐りょうき道理どうりにして処置しょちず。このゆえにせんもちう。
道理としてすべきならすべきだし、道理としてしてはならぬならしてはならない。そんなものは占う必要もない。一つの事に吉と凶の両面があり、道理として判断しにくい場合に占うのだ。

「朱子語類」七十三より

もちろん、お勉強や遊びで占うのなら、ここまでガチガチになる必要はないかと思います。しかし、人生に関わる場合は、一回きりの真剣勝負が「お約束」です。

ただ先人は「正しく占える」ことをゴールとしませんでした。

占わない

えきおさむるものうらなわず。
よく易を修めた者は占わない。

「荀子」大略篇より

先人は、占う必要がなくなることを理想としました。
その目指す姿が描かれているのが「繋辞下伝」です。

どうにして、きちのまずあらわるるものなり。君子くんしち、うるをたず。
幾は事のはじめの微かな動きであり、吉凶の現れる前兆である。君子は幾を見て判断し、日を終えるのを俟たずに対処する。

「繋辞下伝」より

易を学び、占わなくても幾(兆し)によって身のふりを決められる。それが先人たちが目指した姿とされています。