䷟恒
恒は常を保つことを扱った卦です。
卦辞
恆亨。无咎。利貞。利有攸往。
恒は亨る。咎なし。貞に利あり。往くところあるに利あり。
恒は進んでいく。咎はない。正しくあれば良い。行くところがあると良い。
爻辞
初六

浚恆。貞凶。无攸利。
恒を浚くす。貞にして凶。利あるところなし。
恒を深く求めすぎる。正しくても凶。利のあることはない。
九二

悔亡。
悔い亡ぶ。
悔が亡ぶ。
徳が恒になり始めたことでの「悔が亡ぶ」ではないでしょうか。
九三

不恆其德。或承之羞。貞吝。
其の徳恒にせず。或いはこれ羞を承く。貞にして吝。
徳を恒にしない。恥を受けることもあるだろう。正しくても吝。
「其の徳恒にせず」は備わる力を、いつでも使えるようにしないことと読めます。
- 徳:
- その人に備わる力
九四

田无禽。
田に禽なし。
田に禽がいない。
まだ成果には至らない時期と読めます。
六五

恆其德。貞婦人吉、夫子凶。
其の徳恒にす。貞にして婦人は吉、夫子は凶。
徳が恒となる。正しくあれば婦人は吉。夫子は凶。
備わる力がいつでも使えるようになりました。しかし、立場によって吉凶が分かれています。その違いを生むのは、婦人は従う者、夫子は決める者であるからとされます。
上六

振恆。凶。
恒に振う。凶。
恒が揺さぶられる。凶。
恒を揺さぶるのは環境や技術の変化でしょうか。
まとめ
常を保ち、徳をいつでも使えるようにしても、ずっと同じでは凶となる。六五の夫子は、この凶を避けなければならない立場とも取れます。
卦の全体像
上六、恒が揺さぶられる。
六五、徳が恒となる。
九四、田に禽なし。
九三、徳を恒にできない。
九二、悔が亡ぶ。
初六、恒をふかく求める。
