䷨損
損は損なう・減らすことを扱った卦です。
卦辞
損有孚、元吉无咎。可貞。利有攸往。曷之用。二簋可用享。
損は孚あれば、元いに吉にして咎なし。貞にして可なり。往くところあるに利あり。曷をこれ用いん。二簋用て享すに可なり。
損は、孚があれば、大いに吉であり咎はない。正しくあれば良い。行きたいところがあれば良い。供物に何を用いるか。二簋を用いて祭ると良い。
「二簋」はきらびやかさをへらしているものの、誠意のあるお供えです。
- 簋:
- 簋は食物を盛る器。祭祀に使われた。
爻辞
初九

巳事遄往、无咎。酌損之。
事巳めて遄やかに往けば、咎なし。酌みてこれを損す。
取り組む事を止めて、速やかに行けば咎はない。状況を酌んで損をする。
九二

利貞。征凶。弗損益之。
貞に利あり。征けば凶。損せずしてこれを益す。
正しくあれば良い。進めば凶。損しなくてもこれを益すことができる。
「征けば」は「損をする」ではないかと思われます。
六三

三人行、則損一人。一人行、則得其友。
三人行けば、一人損す。一人行けば、其の友を得ん。
三人で行けば一人が損をする。一人で行けば友を得る。
六四

損其疾,使遄有喜,无咎。
其の疾を損す。使し遄やかなれば喜びあり。咎なし。
その病を損う。遄やかにすれば喜びがある。咎はない。
疾は、欠点・悪癖と思われます。
六五

或益之。十朋之龜弗克違。元吉。
或いはこれを益す。十朋の龜違うこと克わず。元いに吉。
あらゆる人がこれを益す。十朋の龜で占っても違わない。大いに吉。
「或いは之れを益す…」は益・六二にもあります。
- 十朋の龜:
- とても高価な亀の甲羅。占いの道具。
上九

弗損益之。无咎。貞吉。有攸往、得臣无家。
損せずしてこれを益す。咎なし。貞にして吉。往くところ有れば、家无き臣を得ん。
損をしなくとも益すことができる。咎はない。正しくあれば吉。進めば、家のない臣を得る。
家なき臣は家を興していない無名の下臣と思われます。
まとめ
この卦の損は、益すための損と見て良いでしょう。
卦の全体像
上九、損せずに益す。進めば臣を得る。
六五、あらゆる人から益される。
六四、病を損。
六三、三人行けば一人が損。一人なら友を得る。
九二、損せずに益す。
初九、酌んで損する。
