䷲震
震は震える・震えて動くことを扱った卦です。
卦辞
震亨。震來虩虩。笑言啞啞。震驚百里、不喪匕鬯。
震は亨る。震來るに虩虩たり。笑言啞啞たり。震百里を驚かすも、匕鬯喪わず。
震は進んでいく。震えることが来れば、驚き恐れる。後にハハと笑う。震えることが百里を驚かしたとしても、匕鬯を失わないようにする。
- 虩虩:
- 驚き恐れる
- 啞啞:
- ハハという声
- 匕鬯:
- 匕は匙。鬯はウコンの酒。共に祭祀に使う。
爻辞
初九

震來虩虩。後笑言啞啞。吉。
震來るに虩虩たり。後に笑言啞啞たり。吉。
震えることが起こり、驚き恐れる。後にハハと笑う。吉。
六二

震來厲。億喪貝、躋于九陵。勿逐。七日得。
震來るに厲し。億りて貝を喪い、九陵に躋る。逐うこと勿かれ。七日にして得ん。
震えることが起こり、厲い。思いめぐらして貝は失い、九つ陵を登る。逐ってはいけない。七日すれば得られる。
「九陵に躋る」は逃げることと思われます。
- 億る:
- 思いめぐらす
- 貝:
- 貝貨
六三

震蘇蘇。震行无眚。
震いて蘇蘇たり。震いて行けば眚なし。
震えることが起こり、不安になる。震えて行けば災いはない。
- 蘇蘇:
- 不安
九四

震遂泥。
震いて泥に遂む。
震えることが起こり、ぬかるみに進む。
六五

震往來厲。億无喪有事。
震いて往くも來るも厲し。億りて有事喪う勿かれ。
震えることが起こり、行くも戻るも危ない。思いめぐらして有事を失わないようにする。
卦辞の「匕鬯喪わず」と重ねて読むこともできます
- 有事:
- いつもの事。
上六

震索索、視矍矍。征凶。震不于其躬、于其鄰无咎。婚媾有言。
震いて索索たり、視ること矍矍たり。征けば凶。震うこと其の躬に于いてせず、其の隣に于いてせば咎なし。婚媾言あり。
震えることが起こり、心が挫け、目はキョロキョロとする。進めば凶。震えが我が身になってからでなく、隣に及んだ時点で恐れれば咎はない。ただ婚姻には物言いがある。
- 索索:
- 心が挫ける
- 矍矍:
- キョロキョロする
まとめ
震えた後の6つの動きが示された卦です。
この卦は動くこと、艮卦は止まることを扱った卦とされます。「止まる」は今の認識と大きくは変わりませんが、易の「動く」は”震える”を前提としているようです。
卦の全体像
上六、震えて動揺。早めに恐れれば咎はない。
六五、震えて行くも戻るも危うい。有事を失わない。
九四、震えてぬかるみに入る。
六三、震えて不安になる。それでも行けば災いなし。
六二、震え、考えて財を失い離れる。やがて戻る。
初九、震えて驚き恐れる。やがて笑う。
