䷵帰妹
歸妹は年若の娘を嫁がせることを扱った卦です。
卦辞
帰妹、征凶。无攸利。
帰妹は、征けば凶。利あるところなし。
歸妹は進めば凶。良いところがない。
爻辞
初九

歸妹以娣。跛能履、征吉。
歸妹に娣を以てす。跛よく履みて、征けば吉。
妹を娣として嫁がせる。片足が不自由でもしっかりと履み行くのであれば、進んでも吉。
- 娣:
- 侍女。姉の結婚に同行する世話役。妻になることもあった
- 跛:
- 片足が不自由な人、力不足の意。履・六三にもあります。
九二

眇能視。利幽人之貞。
眇よく視る。幽人の貞に利あり。
片目が不自由でもしっかりと視る。幽人の正しさがあれば良い。
六三

歸妹以須。反歸以娣。
歸妹以て須つ。反りて歸ぐに娣を以てす。
妹を嫁がせるのを待つ。原則に立ち返って娣として嫁がせる。
まだ嫁ぐには早い、といったところでしょうか。
九四

歸妹愆期。遲歸有時。
歸妹に期を愆る。歸ぐを遲つあり。
妹を嫁がせる期を逃す。嫁ぐまでに待つ時がある。
六三と同じく待つものの、九四は“嫁げる”と読めます。
六五

帝乙、歸妹。其君之袂、不如其娣之袂良、月幾望。吉。
帝乙、妹を歸がしむ。其の君の袂、其の娣の良き袂に如かずも、月望に幾し。吉。
帝乙の妹を嫁がせるようなもの。その君(妹)の袖は侍女よりも良くないとしても、月が満ちるのも近い。吉。
上六

女承筐无實、士刲羊无血。无攸利。
女筐承くも實なく、士羊刲くも血なし。利あるところなし。
女が筐を受けても中身がなく、士が羊を裂くも血が出ない。良いところはない。
「筐を承けて實なく」は嫁ぐ力がない意と思われます。卦辞の助言を守らず力不足のまま嫁いだ、と読めます。
- 筐:
- 嫁入り道具
- 士:
- 男。ここでは婿の意。
- 羊刲く:
- 婚礼の儀。血が出ないのは不吉。
まとめ
内卦は妹をそのまま嫁がせない型が、外卦は嫁がせる型が示されていると読めます。
卦の全体像
上六、嫁いでも中身がない。良いところはない。
六五、帝乙の妹。満月が近い。
九四、嫁ぐ時期を逃す。
六三、嫁ぐのを待ち、娣として嫁ぐ。
九二、眇でもよく視る。幽人の正しさ。
初九、娣として嫁ぐ。跛でもよく履む。
