豫はゆとりのある時を扱った卦です。

卦辞

豫利建侯行師。
こうるにあり。
豫は侯を建て、軍事を行うことに良い。
ゆとりのあるうちに侯を建て、軍事を行い、備えるといったところでしょうか。
豫:
おっとりとした象の形が元。伸びやかに楽しむ・よろこぶの意

爻辞

初六初爻
鳴豫。凶。
めいす。きょう
よろこびやゆるみが表に現れている。凶。
六二二爻
介于石。不終日。貞吉。
せきかいたり。えずしてていにしてきち
石のよろいのように守る。正しさから外れても、日が終わる前に正せば吉。
ゆとりのある中で、ゆるまないようにしています。
石介:
石のよろい
六三三爻
盱豫。悔。遲有悔。
す。おそければいあり。
上目遣いでよろこんでいる。悔いるのが遅ければ悔がある。
盱:
上目遣い。媚びる意。
九四四爻
由豫。大有得。勿疑。朋盍簪。
ゆうす。おおいにるあり。うたがかれ。ともあつまる。
由ることでよろこぶ。大いに得るものがある。疑わなくてよい。朋が合い集まる。
卦辞の「侯建て師を行る」に由るのではないでしょうか。
由:
よる・もとづく(依拠)・〜によって(原因・理由)・〜から(経由・起点)。 ※由は頤・上九にもあります。原文のつくりはどちらも「由+卦名」。意も同じと見て、どちらも「卦辞に由る」と解しています。
六五五爻
貞疾恆不死。
みてていなればつねせず。
病があるも正しくあれば、死ぬことはない。
「疾」は豫の時のゆるみと思われます。
上六上爻
冥豫。成有渝无咎。
めいす。してわることあればとがなし。
暗闇でよろこんでいる。終わらせて変われば咎なし。
豫の時の終わりが近づいていると見て良いでしょう。
冥:
暗闇

まとめ

ゆとりのある時期ではありますが、固く自身を守り、備えることをすすめる卦です。「豫」は「予」の語源とされています。もしかすると、この卦の影響で「予」が「あらかじめる」の意になったのかもしれません。

卦の全体像

上六、暗闇で喜ぶ。

六五、病むも正しくあれば死なない。

九四、由ることで喜ぶ。

六三、上目遣いで喜ぶ。

六二、石介。自身を守る。

初六、喜びが現れている。凶。

互卦:  綜卦:  錯卦:小畜