䷑蠱
蠱は親の残した腐敗への対処をテーマとした卦です。
卦辞
蠱元亨。利涉大川。先甲三日,後甲三日。
蠱は元いにして亨る。大川涉るに利あり。甲に先だつこと三日、甲に後るること三日。
蠱は大いに進んでいく。大川を涉るのにも良い。事を始める三日前には心新たにし、三日後には丁寧に見直す。
『甲に先だつこと三日…』は朱熹の読みに従います。
甲は十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)。
甲は十干の初め(事の始め)。三日前は辛(心新たに)、三日後は丁(丁寧)の意とします。
巽・九五に似た表現があります。
甲は十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)。
甲は十干の初め(事の始め)。三日前は辛(心新たに)、三日後は丁(丁寧)の意とします。
巽・九五に似た表現があります。
爻辞
初六

幹父之蠱。有子考无咎。厲終吉。
父の蠱を幹す。子有れば考咎なし。厲けれども終には吉。
父の腐敗をただす。子がいれば父に咎はない。危ういが終りには吉。
「父の腐敗」は⚊の過剰が生んだものといったところでしょうか。この卦の基本とも取れます。
九二

幹母之蠱。不可貞。
母の蠱を幹す。貞に可ならず。
母の腐敗をただす。正しくはできない。
母の腐敗は⚋の頑なさ・固着といったところでしょうか。こうした腐敗は正すことはできないとします。
九三

幹父之蠱。小有悔、无大咎。
父の蠱を幹す。小しく悔いあれど、大なる咎なし。
父の腐敗をただす。小さな悔はあるが、大きな咎はない。
六五のように正すまではいかないまでも、対処は間違っていない、といったところでしょうか。
六四

裕父之蠱。往見吝。
父の蠱を裕やかにす。往けば吝を見る。
父の腐敗をゆるやかに扱う。そのまま行えば吝を見る。
九三とは違い、対処が間違っていると読めます。
六五

幹父之蠱,用誉。
父の蠱を幹す。用て譽れあり。
父の腐敗をただす。これによって譽れがある。
上九

不事王侯。高尚其事。
王侯に事えず。其の事うを高尚とす。
王侯に仕えず、其の仕事を高尚とする。
「其の事う」は親の残した仕事。王侯に仕えるよりも尚んでいます。
※『帛書易経』では爻辞の最後に凶がつきます。
※『帛書易経』では爻辞の最後に凶がつきます。
まとめ
父の腐敗は対処できるけれど、母の腐敗は対処できない。としているのが興味深い卦です。
卦の全体像
上九、王侯に仕えず、親の仕事を尚ぶ。
六五、父の蠱をただし、誉れ。
六四、父の蠱をゆるやかに扱う。
九三、父の蠱をただそうとしている。
九二、母の蠱は正しくはができない。
初六、父の蠱ただす子いると父咎なし。
