䷴漸
漸は漸進。ゆるやかに進むことを扱った卦です。
卦辞
漸女歸吉。利貞。
漸は女の歸ぐに吉。貞に利あり。
漸は女が嫁ぐようにすれば吉。正しくあれば良い。
古代中国では女性が嫁ぐまでに多くの準備があったとされます。その少しずつ進めていく姿が漸の見本とされます。
爻辞
初六

鴻、漸于干。小子厲。有言无咎。
鴻、干に漸む。小子厲し。言あれども咎なし。
水鳥が水際に漸む。若者は危うい。非難されるが咎はない。
- 干:
- 水際
- 鴻:
- 水鳥
六二

鴻、漸于磐。飲食衎衎。吉。
鴻、磐に漸む。飲食衎衎たり。吉。
水鳥が岩に漸む。飲食を和やかに楽しむ。吉。
- 衎衎:
- 和やかに楽しむ
九三

鴻、漸于陸。夫征不復、婦孕不育。凶。利禦寇。
鴻、陸に漸む。夫征きて復らず、婦孕むも育わず。凶。寇を禦ぐに利あり。
水鳥が陸に漸む。夫が出征して帰らず、婦が孕んでいるのにやしなわれない。凶。攻めるのではなく敵を防ぐようにすると良い。
陸は水鳥にとって危険な場、分に合わない場に進んだと見て良いでしょう。
六四

鴻、漸于木。或得其桷。无咎。
鴻、木に漸む。或いは其の桷を得ん。咎なし。
水鳥が木に漸む。安定した横枝を得られれば咎はない。
- 桷:
- 横枝
九五

鴻、漸于陵。婦三歲不孕。終莫之勝。吉。
鴻、陵に漸む。婦三歳まで孕まず。終にこれ勝つこと莫し。吉。
水鳥が丘陵に漸む。しかし婦は三年しても孕まない。ただ、終わりまで続くことはない。吉。
上九

鴻漸于逵。其羽可用為儀。吉。
鴻、逵に漸む。其の羽用て儀と為すに可なり。吉。
水鳥が大通りに漸む。その羽を儀に用いることができる。吉。
- 逵:
- 大通り
まとめ
漸進の様子が、鴻が場を移していく姿で表されています。
卦の全体像
上九、水鳥が大通りに漸む。羽が儀に使える。
九五、水鳥が丘陵に漸む。まだ実を結ばない。
六四、水鳥が木に漸む。足場を得れば咎なし。
九三、水鳥が陸に漸む。征くより禦ぐとよい。
六二、水鳥が岩に漸む。吉。
初六、水鳥が水際に進む。
