䷏豫
豫はゆとりのある時を扱った卦です。
卦辞
豫利建侯行師。
豫は侯建て師を行るに利あり。
豫は侯を建て、軍事を行うことに良い。
ゆとりのあるうちに侯を建て、軍事を行い、備えるといったところでしょうか。
- 豫:
- おっとりとした象の形が元。伸びやかに楽しむ・よろこぶの意
爻辞
初六

鳴豫。凶。
鳴豫す。凶。
よろこびやゆるみが表に現れている。凶。
六二

介于石。不終日。貞吉。
石介たり。日に終えずして貞にして吉。
石のよろいのように守る。日が終わる前に正しくあれば吉。
ゆとりのある中で、ゆるまないようにしていると読めます。
- 石介:
- 石のよろい
六三

盱豫。悔。遲有悔。
盱豫す。悔い遲ければ悔いあり。
上目遣いでよろこんでいる。悔いるのが遅ければ悔がある。
- 盱:
- 上目遣い。媚びる意。
九四

由豫。大有得。勿疑。朋盍簪。
由豫す。大いに得るあり。疑う勿かれ。朋盍い簪まる。
由ることで喜ぶ。大いに得るものが有る。疑わなくてよい。朋が合い集まる。
九四が何に由るかは明示されていませんが、九四を卦辞にある侯と見て、六五に由ると読みます。
- 由:
- よる・もとづく(依拠)・〜によって(原因・理由)・〜から(経由・起点)。
六五

貞疾恆不死。
疾みて貞なれば恆に死せず。
病があるも正しくあれば、死ぬことはない。
「疾」は豫の時のゆるみ、九四との関係とも読めます。
上六

冥豫。成有渝无咎。
冥豫す。成して渝うることあれば咎なし。
暗闇で喜んでいる。終わらせて変われば咎なし。
豫の時の終わりが近づいていると見て良いでしょう。
- 冥:
- 暗闇
まとめ
ゆとりのある時期ではありますが、固く自身を守り、備えることをすすめる卦です。「豫」は「予」の語源とされています。もしかすると、この卦の影響で「予」が「あらかじめる」の意になったのかもしれません。
卦の全体像
上六、暗闇で喜ぶ。
六五、病むも正しくあれば死なない。
九四、由ることで喜ぶ。
六三、上目遣いで喜ぶ。
六二、石介。自身を守る
初六、喜びが現れている。凶。
