䷽小過

小過は小し過ぎる時を扱った卦とされます。ただ原文を加味すると、小過は「小()が過ぎる時」と見ると内容が掴めるように思えます。

卦辞

小過亨。利貞。可小事、不可大事。飛鳥遺之音。不宜上、宜下大吉。
しょうとおる。ていあり。しょうなるも、だいならず。ちょうこれおとのこす。のぼるによろしからず、くだるによろしくしておおいにきち
小過は進んでいく。正しくあれば良い。小事は良いが大事は良くない。飛鳥が音だけを遺すことになる。上るのはよろしくないが、下るのは大いに吉でありよろしい。

爻辞

初六初爻
飛鳥以凶。
初六、飛鳥ひちょうもって凶。
初六、飛鳥であるから凶。
卦辞にある飛鳥です。大事もしくは上ろうとしていると読めます。
六二二爻
過其祖、遇其妣。不及其君、遇其臣。无咎。
そのぎ、そのう。そのきみおよばずして、そのしんう。とがなし。
祖父は過ぎるから、祖母に遇う。君主には及ぼうとせず、臣に遇う。咎はない。
祖父や君に遇うのは大事にあたると見て良いでしょう。臣は九四とも読めます。
九三三爻
弗過防之。從或戕之。凶。
ぎずしてこれをふせぐ。したがえばあるいはこれそこなわれん。きょう
過ぎないように自身を守る。(飛鳥に)従えば自身が損なわれるかもしれない。凶。
九四四爻
无咎。弗過遇之。往厲。必戒、勿用。永貞。
とがなし。ぎずしてこれにう。けばあやうし。かならいましめ、もちうるかれ。ながていにす。
咎はない。過ぎないようにして遇う。行けば危うい。必ず戒め、動いてはならない。永く正しくある。
遇うのは六二と読めます。
六五五爻
密雲不雨、自我西郊。公弋取彼在穴。
密雲みつうんあめふらず、西郊せいこうにす。こうして穴にる。
西の郊外に密雲が湧くも雨は降らない。公が弋で穴にいる者を捕まえる。
公は九四、彼は六二とも読めます。
「密雲雨ふらず…」は小畜・卦辞にもあり、が接近するも交わりません。自身は交わろうとせず公に頼る、といったところでしょうか。
弋:
狩の仕掛け。
雨:
が交わる象
上六上爻
弗遇過之。飛鳥離之。凶。是謂災眚。
わずしてこれぐ。飛鳥ひちょうこれにかかる。きょうこれ災眚さいせいう。
誰に遇わずに過ぎている。飛鳥が網にかかる。凶。これを災難と言う。
離:
つく・かかる。離には鳥が網にかかる意があります。

まとめ

剛は動かず、柔は動き過ぎないことが大事、と読める卦です。

卦の全体像

上六、誰にも遇わずに過ぎる。飛鳥が網にかかる。

六五、雨は降らない。公が穴にいる者を捕まえる。

九四、過ぎないように遇う。戒めて動かない。

九三、過ぎないように守る。従えば凶。

六二、祖父でなく祖母。君でなく臣に遇う。

初六、飛鳥。凶。

互卦:大過  綜卦:小過  錯卦:中孚