䷛大過
大過は大いに過ぎる時を扱った卦とされます。ただここでは原文を加味して、大過は大(⚊)が過ぎる時を扱った卦と読むことにします。(小過は小(⚋)が過ぎると読みます。)
卦辞
大過棟橈。利有攸往。亨。
大過は棟橈む。往くところあるに利あり。亨る。
大過は家の棟が橈む。行きたいところがあると良い。進んでいく。
家は安定の象、棟はそれを支えるもの。⚋が過ぎることで安定が崩れる、といったところでしょうか。
爻辞
初六

藉用白茅。无咎。
藉くに白茅を用う。咎なし。
白い茅をしく。咎なし。
古代中国では、物を置く際、直に置いていたそうです。白い茅をしくのは慎重な態度とされます。
九二

枯楊生稊。老夫得其女妻。无不利。
枯楊稊を生ず。老夫其の女妻を得ん。利あらざるなし。
枯れたヤナギに新芽が生える。老夫が若い妻を得る。良くないことはない。
「枯楊稊を生ず」「老夫其の女妻を得ん」はどちらも過ぎたことと見て良いでしょう。ただ良くないことはないです。卦辞の「往くところあるに利あり」にあたると見ても良いでしょう。
- 枯楊:
- 枯れたヤナギ
- 稊:
- 新芽
九三

棟橈。凶。
棟橈む。凶。
棟が橈む。凶。
危険な過剰さを持つ者と見て良いでしょう。
九四

棟隆。吉。有它吝。
棟隆し。吉。它有れば吝。
棟が隆起する。吉。しかし、他が有れば吝。
家を支えるようにすれば吉とします。
- 它:
- 他。ここでは心移りと読めます。
九五

枯楊生華。老婦得士夫。无咎无譽。
枯楊華を生ず。老婦士夫を得ん。咎なく譽れなし。
枯れた楊に華が咲く。老婦が若き夫を得る。咎もないが譽れもない。
「枯楊華を生ず」「老婦士夫を得ん。」はどちらも過ぎた状況と見て良いでしょう。
上六

過涉滅頂。凶。无咎。
過ぎて涉れば頂を滅す。凶。咎なし。
過ぎて川を涉れば頭まで水につかる。凶。咎なし。
「過ぎて川を涉れば」は九三に応じた場合、咎なしは九五と比する場合と思われます。
まとめ
中心に並ぶ4つの⚊が初六と上六に向かうことで安定が崩れる(家の棟が橈む)危うさのある時、と読める卦です。
卦の全体像
上六、過ぎて川を涉れば凶。
九五、枯楊に華。老婦が若い夫を得る。
九四、棟が隆起する。
九三、棟を橈ませる。
九二、枯楊に稊。老夫が若い妻を得る。
初六、白い茅をしく。
