䷞咸
咸は感応することを扱う卦です。
卦辞
咸亨。利貞。取女吉。
咸は亨る。貞に利あり。女を取るに吉。
咸は進んでいく。正しくあれば良い。女をめとると吉。
「女を取る」は感じたものに応じる意とされます。
爻辞
初六

咸其拇。
其の拇に咸ず。
足の親指で感応する。
わずかな感応です。
- 拇:
- 足の親指。
六二

咸其腓。凶。居吉。
其の腓に咸ず。凶なれど居れば吉。
ふくらはぎで感応する。凶。とどまれば吉。
感じてすぐに動いてしまっていることによる凶とされます。
- 腓:
- ふくらはぎ。すぐに動いてしまう部。艮・六二にもあります。
九三

咸其股。執其隨。往吝。
其の股に咸ず。執りて其れ隨う。往けば吝。
股で感応する。ただしたがっている。そのまま行けば吝。
上の動きにしたがうだけの股で感応しています。
九四

貞吉悔亡。憧憧往來、朋從爾思。
貞にして吉。悔い亡ぶ。憧憧として往來せば、朋爾の思いに從う。
正しくあれば吉。悔もなくなる。心が定まらず行き来していれば、朋なら思いに從ってくれる。
股と背中の間、心での感応とされています。朋はただ従うだけの九三のような者でしょうか。
- 憧憧:
- 心が定まらない様。
九五

咸其脢。无悔。
其の脢に咸ず。悔いなし。
背中で感応する。他に影響されず悔はない。
体の部位の中で、最も感情に左右されない部位です。艮卦・卦辞と合わせて読むと易での背のイメージがつかめます。
- 脢:
- 背中
上六

咸其輔頰舌。
其の輔頰舌に咸ず。
アゴ・頰・舌が感応する。
体感というよりは、口先で感応しているといったところでしょう。
まとめ
咸は行動に先立つ感応を扱っています。この卦では、どのように感応するかが示されていると見て良いでしょう。
卦の全体像
上六、口先で感応。
九五、背中で感応。動じない。
九四、心で感応。
九三、股で感応。ただ従うだけ。
六二、ふくらはぎで感応。すぐ動く。
初六、足の親指でわずかに感応。
