䷩益
益は益す・益されることを扱った卦です。
卦辞
利有攸往。利涉大川。
益は往くところあるに利あり。大川涉るに利あり。
益は行くところがあると良い。大川を涉っても良い。
爻辞
初九

利用為大作。元吉无咎。
大作為すに用うるに利あり。元いに吉にして咎なし。
大きな仕事をするのに良い。大いに吉、咎はない。
六二

或益之。十朋之龜弗克違。永貞吉。王用享于帝。吉。
或いはこれを益す。十朋の龜違うこと克わず。永く貞にして吉。王用て帝に享す。吉。
あらゆる人がこれを益す。十朋の龜で占っても違わない。永く正しくあれば吉。王は(現状を)用って帝に享す。吉。
「或いは之れを益す…」は損・六五にもあります。
- 十朋の龜:
- とても高価な亀の甲羅。占いの道具。
- 帝:
- 天帝。神のこと
六三

益之用凶事、无咎。有孚中行、告公用圭。
凶事を用てこれを益す。咎なし。孚ありて中行なれば、公に告ぐるに圭を用う。
凶事によって益すことができれば咎はない。孚が有り中行ができれば、公への申告も圭を用いるようなもの。
- 圭:
- 圭玉。権威の象徴。
六四

中行、告公從。利用為依遷國。
中行なれば、公に告げて從わる。國遷すに依りて為すに用うるに利あり。
中行であれば、申告に公が從ってくれる。國を遷すことがあれば、従って行うと良い。
- 國遷す:
- 国をうつす大事業。
九五

有孚惠心、勿問元吉。有孚惠我德。
孚ありて惠心なれば、問う勿くして元いに吉。孚ありて我が德を惠みとす。
孚があり恵む心があれば、問うまでもなく大いに吉。孚があれば自らの徳が恵みとされる。
益す人と見て良いでしょう。
上九

莫益之。或擊之。立心勿恆。凶。
これを益すこと莫し。或いはこれを擊つ。心立つ恆なし。凶。
これを益す者はない。あるいは撃たれる。心が立っても恒がない。凶。
「心立つ恆なし」はやりたいことがコロコロと変わる、といったところでしょう。益されることのない態度と読めます。
まとめ
九五が孚から恵み、下が益されるといったところでしょう。
卦の全体像
上九、益されない。心が立つ恒がない。
九五、孚から恵めば、大いに吉。
六四、中なら申告が通じる。大事業に従うと良い。
六三、凶事で益す。孚と中があれば、申告に威厳。
六二、あらゆる人から益される。
初九、大きなことを行うと良い。
