せい

既濟は事が成った後を扱った卦です。

卦辞

既濟亨小。利貞。初吉終亂。
せいとおることしょうなり。ていにしてあり。はじきちにしておわみだる。
既濟は、進みは小さい。正しくあれば良い。初めは吉だが終わりは乱れる。

爻辞

初九初爻
曳其輪。濡其尾。无咎。
そのく。そのらす。とがなし。
その車輪を曳きとどめる。その尾を濡らすも咎はない。
「その輪を曳く」は未濟・九二にもあります。
「その尾を濡らす」は未濟・卦辞にあります。
九二二爻
婦、喪其茀。勿逐。七日得。
、そのふつうしなう。うことかれ。七日しちじつにしてん。
婦が茀を失う。探す必要はない。七日すれば得られる。
茀:
車の覆い。既婚の女性が馬車につける。結婚(既濟)によって得たものとも読めます。
九三三爻
高宗伐鬼方。三年克之。小人勿用。
高宗こうそうほうつ。三年さんねんにしてこれつ。小人しょうじんもちうるかれ。
高宗であれば鬼方を伐つことができる。三年すれば勝てる。小人はしてはならない。
「鬼方を伐つ」ことは高宗でも3年かかる大事業、と読めます。
※「鬼方を伐つ」は未濟・九四にもあります。
高宗:
殷の優れた王・武丁。高宗は大人と読み換えても良いでしょう。
鬼方:
蛮族。
六四四爻
繻有衣袽。終日戒。
じゅ衣袽いじょあり。終日しゅうじついましむ。
繻にほつれがある。終日戒める。
繻:
うす絹。高価な生地。
衣袽:
ボロボロになった服。ここではほつれとしました。
九五五爻
東鄰殺牛、不如西鄰之禴祭。實受其福。
東隣とうりん牛殺ぎゅうさい西隣せいりん禴祭やくさいかず。まことにそのふくく。
東隣の牛を殺す祭りは、西隣の禴祭には及ばない。真の福を受ける。
「禴」は萃・六二升・九二にもあります。
東隣・西隣:
東隣は殷(商)、西隣は西岐(周)とされます。
禴祭:
簡素な祭り
上六上爻
濡其首。厲。
そのこうべらす。あやうし。
川を渉ろうとすれば首を濡らす。危うい。
「その首を濡らす」は未濟・上九にもあります。

まとめ

卦辞に「初めは吉だが終わりは乱れる」とあるように、爻辞に乱れる兆しが読み取れます。
未濟と合わせて読むと良い卦です。

卦の全体像

上六、渡れば首を濡らす。

九五、盛大な祭りより、簡素な祭り。

六四、繻にほつれがある。

九三、高宗であれば鬼方を伐つ。三年かかる。

六二、婦が茀を失う。七日で得る。

初九、車輪を曳き、その尾を濡らす。

互卦:未濟綜卦:未濟錯卦:未濟