䷥睽
睽はそむき合う時を扱う卦です。
卦辞
睽小事吉。
睽は小事には吉。
睽は小さな事であれば吉。
爻辞
初九

悔亡。喪馬勿逐自復。見惡人无咎。
悔い亡ぶ。馬喪うも逐う勿くして自ずから復る。惡人見るに咎无し。
悔いがなくなる。馬を失っても追わなくて良い。自ら帰ってくる。合わない人に会っても咎はない。
- 惡人:
- 合わない人、好ましくない人。九四とも読めます。
九二

遇主于巷。无咎。
主に巷に遇う。咎なし。
主人と路地であう。咎なし。
「主」は六五ではないかと思われます。
- 巷:
- 路地。
六三

見輿曳、其牛掣。其人、天且劓。无初有終。
輿の曳かるを見、其の牛掣かる。其の人、天られ且つ劓らる。初めなくして終りあり。
輿に引かれるのを見られ、その牛がとどめられる。その人は髪を切られ、鼻を切られる。初めはうまく進まないが、終わりには収まる。
「天られ且つ劓らる」は上九の元へ向かおうとしたことで、起こる災難、と読めます。
- 天:
- 刑罰。髪を切られる。
- 劓:
- 刑罰。鼻を切られる。
九四

睽孤。遇元夫交孚。厲无咎。
睽いて孤りなり。元夫に遇い孚交う。厲けれども咎无し。
そむき合って独りになる。いずれ元夫にあい、孚で交わる。危ういが咎はない。
六五と宗の関係だったが背きあい、ひとりとなったと読めます。「元夫」は初九ではないでしょうか。
- 元夫:
- 健全な人・善良な人
六五

悔亡。厥宗噬膚。往何咎。
悔い亡ぶ。厥の宗膚を噬む。往くも何が咎あらん。
悔いがなくなる。宗族の膚を噬む。行くのに何の咎があろうか。
「厥の宗膚を噬む。」は九四・上九とそむきあったと読めます。
上九

睽孤。見豕負塗、載鬼一車。先張之弧、後說之弧。匪寇婚媾。往遇雨則吉。
睽いて孤りなり。豕塗を負い、鬼を載する一車を見ん。先にこれ弧を張り、後にこれ弧を說く。寇すに匪ず婚媾せん。往きて雨に遇えば則ち吉なり。
背いて独り。泥まみれの豚、鬼がのる一台の車を見る。初めは弓の弧を張り、後には解く。敵対ではなく結ばれる。行って雨にあえば吉。
まとめ
そむき合った後に、それぞれが別の会うべき人に会う、と読めます。
卦の全体像
上九、そむいて孤立。鬼に弓を張るも後に解く。
六五、仲間とそむき合い、行く。
九四、そむいて孤立。やがて会うべき人に会う。
六三、進もうとして災難にあうが、最後は収まる。
九二、主と路地であう。
初九、馬がいなくなるも戻る。悪人に会う
