䷜習坎
習坎は困難が重なる時を扱った卦です。
卦辞
習坎、有孚維心。亨。行有尚。
習坎は、孚ありて心維ぐ。亨る。行けば尚ばるるあり。
習坎は、孚があれば心がつながる。進んでいく。行けば尚ばれる。
爻辞
初六

習坎入于坎窞。凶。
坎を習ねて坎窞に入る。凶。
困難を重ねるなかでさらに深い落とし穴に入る。凶。
- 坎窞:
- 深い落とし穴
九二

坎有險。求小得。
坎にして險あり。求めて小しく得ん。
困難であり危険がある。求めるものは少し得る。
六三

來之坎坎。險且枕。入于坎窞。勿用。
來るも之くも坎坎たり。險にして且つ枕す。坎窞に入る。用うる勿かれ。
行くも戻るも困難。危険にいながらも止まる。動けば深い落とし穴に落ちる。動いてはいけない。
六四

樽酒、簋貳、用缶。納約自牖。終无咎。
樽酒簋貳、缶を用てす。約して牖より納るる。終りには咎なし。
樽酒、二つの簋、缶を用いる。控えめにして明かり窓より納れる。そうした慎重さがあれば終りには咎がない。
祭祀では「酒・食・楽」が重要な要素とされます。樽酒・二つの簋・缶は簡素な祭を意味するのかもしれません。それらを誰かの家に納れています。玄関ではなく明かり窓からなのは、慎重に慎重を重ねた行動とされます。
九五

坎不盈。祗既平、无咎。
坎盈たず。既に平かなるに祗らば、咎なし。
未だに習坎の時が満ちていない。平らかになれば、咎はない。
上六

係用徽纆、寘于叢棘。三歲不得。凶。
係ぐに徽纆を用てし、叢棘に寘く。三歳まで得ず。凶。
縄で縛られ、イバラの草むらに放置される。三年は出られない。凶。
習坎の時に慎重さの欠いた行動を取った、といったところでしょうか。
- 徽纆:
- 縄
- 叢棘:
- イバラの草むら
まとめ
六四の動きと九五の認識に、卦辞の「孚ありて心維ぐ」が表れているように思えます。
卦の全体像
上六、縄で縛られ、イバラの草むらへ。
九五、まだ習坎の時は満ちていない。
六四、慎重に動く。
六三、危険の中とどまる。動けば深い穴。
九二、危険の中で少し得る。
初六、困難の中、さらに深い穴へ。
