䷶豊
豊は王の光が豊かな時を扱った卦です。
卦辞
豊亨。王假之。勿憂。宜日中。
豊は亨る。王これに假る。憂うる勿かれ。日中に宜し。
豊は進んでいく。王はこうした時を担う。憂わなくても良い。日中のようにすれば良い。
- 日中:
- 陽が高く、光の強い時
- 假:
- 仮・借りる・借り受ける。借り受けるの意と見て、役を担うとしました。
爻辞
初九

遇其配主。雖旬无咎。往有尚。
其の配主に遇う。旬しと雖も咎なし。往きて尚ばるるあり。
配主に遇う。同等だったとしても咎はない。行けば尊ばれることがある。
- 配主:
- 助け合える者。九四とも読めます。
六二

豐其蔀。日中見斗。往得疑疾。有孚發若吉。
其の蔀を豊かにす。日中に斗を見る。往けば疑い疾まるるを得ん。孚あれば発若たり。吉。
蔀を大きくする。日中に北斗七星を見る。行けば疑いと憎みを得る。孚が有れば感激させられる。吉。
- 蔀:
- 日よけのすだれや戸
九三

豐其沛。日中見沬。折其右肱。无咎。
其の沛を豊かにす。日中に沫を見る。其の右肱を折りて咎なし。
沛を大きくする。日中に星くずを見る。右肱を折れば咎はない。
「右肱を折りて」は力を出さないようにする意とされます。
- 沛:
- 家の内をおおう布
- 沫:
- 星くず
九四

豐其蔀。日中見斗。遇其夷主。吉。
其の蔀を豊かにす。日中に斗を見る。其の夷主に遇う。吉。
蔀を大きくする。日中でも北斗を見る。夷主に遇う。吉。
- 北斗:
- 北斗七星。
- 夷主:
- 同等の力を持つ者。初九とも読むことも可能です。
六五

來章、有慶譽。吉。
章を來せば、慶誉あり。吉。
章ある者に来てもらえば、慶びと誉れがある。吉。
- 章:
- もようやしるし。才や実力と読めます。
上六

豐其屋、蔀其家。闚其戶、闃其无人。三歲不覿。凶。
其の屋豊かにし、其の家蔀す。其の戸を闚うに、闃として其れ人なし。三歳まで覿ず。凶。
屋根を大きくし、家に蔀を付ける。戸から伺うと、ひっそりしていて人の気配がない。三年は姿を見ない。凶。
光を警戒しすぎた、といったところでしょうか。
- 屋:
- 屋根
- 闃:
- ひっそり
まとめ
二〜四爻、上爻は光を避けています。おそらく六五は光源(王)。初九は光を観て来た者と見ても良いかもしれません。王の光が強い時期の扱いが示されていると読めます。
卦の全体像
上六、屋を大き、覆いを設ける。三年は姿を見ない。
六五、章ある者が来てもらう。
九四、覆いを設け、日中に北斗を見る。同等の者に遇う。
九三、覆いを設け、日中に星くずを見る。力を出さない。
六二、覆いを設け、日中に北斗を見る。
初九、同等の者に遇う。進めば尊ばれる。
