小畜しょうちく

小畜は小さくとどまる時を扱った卦とされます。六十四卦には大畜もあり、共通するのは内卦()がとどまることです。

卦辞

小畜亨。密雲不雨。自我西郊。
小畜しょうちくとおる。密雲みつうんあめふらず。西郊せいこうよりす。
小畜は進んでいく。西の郊外から密雲が起こるが、雨は降らない。
「密雲雨ふらず」はが接近するも、交わりは起こらないといったところでしょう。
小過・六五にも同じ言葉があります。
雨:
が交わる象

爻辞

初九初爻
復自道。何其咎。吉。
かえることみちよりす。なんぞそれとがあらん。きち
自らの道に復る。咎などあるはずない。吉。
とどめられて、自らの道にかえるといったところでしょう。
九二二爻
牽復。吉。
きてかえる。きち
牽きとどめて復る。吉。
初九と違い、自ら牽きとどめて復ります。
九三三爻
輿說輻。夫妻反目。
輿ふくく。夫妻反目はんもくす。
車輪のスポークが外れる。夫妻が反目する。
妻は六四とされます。とどめられても進もうとして、争いが起こり、動けなくなった、といったところでしょう。
輻:
車輪のスポーク
六四四爻
有孚。血去惕出。无咎。
まことありておそず。とがなし。
孚があり、血は去り恐れはなくなる。咎はない。
内卦をとどめる者とされます。必然的に“とどめ”と思われます。
九五五爻
有孚。攣如。富以其鄰。
まことありて攣如れんじょたり。みてそのとなりともにす。
孚があり、つなぎ合う。富を隣と共にする。
六四とつながり、富を分かち合う、といったところでしょう。
※「富を其の隣…」は泰・六四謙・六五に対となる表現があります。
上九上爻
既雨既處。尚德載。婦貞厲。月幾望。君子征凶。
すであめふりてすでる。とくたっとびてつ。ていにしてあやうし。げつぼうちかし。くんけばきょう
既に雨はふり終え、落ち着いている。婦の正しさは危うい。月が満ちようとしている。君子であっても進めば凶。
六四・九五は交わり、とどめられたものも道に収まり、あるべき場所に落ち着きました。「月望に幾し」は小畜の時が極まる手前を表すとされます。
月望に幾し:
満月が近い。時が極まりかけていることと思われます。
帰妹・六五中孚・六四にもあります。

まとめ

とどめられることから始まり、それぞれが本来の場所に落ち着く卦です(九三以外)。小畜は小()によってがとどめられる卦とも読めます。

卦の全体像

上九、雨が降り、落ち着く。進めば危うい。

九五、つながり、富を分かち合う。

六四、孚がある。血と恐れが去る。

九三、反目して、動けなくなる。

九二、引きとどめて復る。

初九、とどめられて道に復る。

互卦:  綜卦:  錯卦: